石、光、レーザー加工
本作品は、鏡面加工された石にレーザー加工機を用いて文字やiPhoneで撮影した写真を彫刻加工し、加工を施した石の表面に光を当て、反射した光によって像を壁面に写し出している。
現代ではプロジェクターの普及によって光を用いて図像を見ること、またデジタルデバイスを通して高解像度の図像を見ることが日常的にできるようになった。いずれもそれらは現代では電力によって実現されているが、近年の電力逼迫のニュースや資源不足の問題を目にする中で、生活から電力が失われた時代がいつか来ることがあるのではないかと考えている。
もしもそんな時代が来た時においても、私たちが現代で目にしている図像データや投影方法の名残を留め、再生する手段として、本作品では半永久的に残り続けるような記録媒体として石に着目し、光があれば投影することが可能な本手法に至った。これまで現存してきた石板などと同じように、数千年先の未来にも残りうる可能性を持つ記録媒体として機能するメディア装置である。
2021.3「三千年後への投写術」新宿眼科画廊(東京)展示記録
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